快速会計での消費税区分について

「課税」か「その他」とは?おおまか過ぎないですか?

快速会計と他社製の会計ソフトで違っている点は多くありますが、そのひとつで、大いに戸惑うのが「消費税区分」だと思います。
勘定科目マスタの設定画面で、いろいろな属性を設定しますが、快速会計では、勘定科目の消費税区分の基本設定は、「課税」か「その他」の2つだけです。通常必要な勘定科目は準備されており、消費税区分も設定済みです。「課税」か「その他」に設定済みということです。
「課税」は、当然、課税取引のこと。
では、「その他」とは?これは、課税取引以外のすべてを意味しています。つまり、免税、非課税、不課税(課税対象外)の取引です。

この2区分にしたことには理由があります。
ちょうど快速会計の開発スタートの時期に、消費税制度がスタートしました。※1989年(平成元年)4月1日から税率3%
竹下総理の時代ですね。
ふりかえれば、消費税制度がなかった時代の会計ソフトは、実にシンプルで操作も明快で、画面も見やすかったのです。ところが、消費税制度が始まったことで、消費税の申告書を正しく作成するために必要な消費税区分を、すべての取引(仕訳)で設定し、記録していくことが求められるようになりました。

私(開発責任者)は、快速会計を、とにかくシンプルでわかりやすく、操作性の良いものにしたかったのです。ですから、面倒な制度が始まったものだなぁと悩みました。しかし、消費税の申告書を正しく作成するために、税区分別集計表は必須の書類です。それをどういうデザインにするか、参考にする書類は、税務署が配布している手引きしかありませんでした。
何度も読み返しました。それで気づいたことがありました。

まず、消費税が課税される取引と、課税されない取引に分ける。※以下は、原則課税の方法です。
次に、消費税が課税される取引を、課税売上と課税仕入に分ける。
そして、それぞれに含まれている消費税額を算出する。税込み経理なら、各勘定科目の決算額を103で割り算して3を掛ける。このやり方で消費税額を抜き出せるので、課税売上から消費税額を抜き出し、課税仕入からも消費税額を抜き出して引き算をする。それで出た答えが消費税の納付金額です。
簡易課税を選択していたら、もっと簡単で、課税売上に含まれている消費税額に、事業区分ごとに決められたみなし仕入率をかけ算して、引き算するほうの金額(仕入控除税額)を算出します。

つまり、大事なのは課税取引で、免税と非課税の取引金額は、消費税の申告書を作成するときに、比率を算出する項目でちょこっと必要なだけなのです。
それならば、仕訳入力のときの税区分の記録の方法は、簡単な2区分で良いでしょう!「課税」と、それ以外を全部ひっくるめて「その他」で!

時は流れて、2019年(令和元年)10月1日から、基本税率10%と軽減税率8%とする制度が始まりました。2023年(令和5年)10月1日からは、インボイス制度が始まりました。
消費税の制度はどんどん複雑になり、私が望む「シンプルでわかりやすい」仕様を維持することが困難になりました。

現在の快速会計の仕様は、二重税率やインボイス制度までの変革に対応していますが、それでも、他社製の会計ソフトと比較して、シンプルさや、画面の見やすさ、設定の切り替え(免税、非課税、不課税への変更や、インボイス制度の事業者区分の変更など)が容易なことなどは、十分に配慮されています。

勘定科目に補助科目を設定するなら、補助科目ごとに別々の税区分を設定することができます。
また、振替伝票などの金額欄でスペースキーを押せば、税区分を設定するためのリストが表示されます。
決算整理のなかで、入力済みの「支払保険料」の税区分を「その他」から「非課税」に変更したいなぁと思ったときは、仕訳複合検索という非常に優秀なフォームで、抽出と置き換えの条件を設定すれば、仕訳数が10でも100でも1000でも、1~2秒で変更することが可能です。
普段はスピード優先で仕訳入力を進めておき、必要なら、決算整理で ”嫁入り前のお化粧直し” をしたら良いですよ、というのが私の考えかたなのです。

快速会計では消費税の申告書そのものは作成できませんが、現在の消費税の制度に対応した税区分別集計表を集計・表示・印刷することができます。