契約先の決算時に痛切に感じること、それは…

「消費税区分別取引集計表」の重要性、大切さですね!

もちろん、決算報告書も試算表も大切ですが、何かの事情でPCや会計ソフトが使えなくなっても、これらは、手書き帳簿と電卓があれば作成できると思います。
消費税区分別取引集計表だって、時間さえかければ、電卓を使って作成できるとは思いますが、その手間と苦労と、なによりも正確性を考えるなら、取り掛かる前に、私はギブアップします。下記のことが、手作業・手集計を非常に困難にしているからです。

消費税の税率が複数あること。課税取引でないものも、免税・非課税・不課税(課税対象外)に区分すること。
そして、インボイス制度に対応していないといけないこと。
具体的には、支払先を適格請求書発行事業者とそうでない者(免税事業者等)に区分して記録すること。免税事業者等への支払に関しては経過措置があるので、段階的に変わる控除割合が判るように記録し、経過措置の期間が決められているので発生主義に基づき取引日付を正しく記録すること。
さらに、少額特例というものもあるし、こういうケースではインボイスがなくても必要事項の帳簿記載があれば良しとする、といった事例が数多くあります。

これらのことを理解し記憶して、思い出せないときは調べて確認の上、ひとつひとつの取引(仕訳データ)に記録していかないと駄目なのです。
この毎日の地道な作業が、決算のときにものすごく重要な結果をもたらすのです。「この毎日の地道な作業」は、PCと会計ソフトなしではできません。

重要な結果とは、消費税の確定申告時の納付額のことです。
間違えて少なく納付すれば、税務調査で発覚して、追徴課税となり、本税のほかに延滞税も払うことになります。
間違えて多く納付すれば、それを還付してもらう手続きが必要となり、これがなかなか面倒なのです。
追徴でも還付でも、それは、税務署内に記録が残り、「要注意人物」のような扱いになって、以後も、税務調査が入りやすくなります。なにも良いことがないですね。

ですから、正しい決算と正しい申告を「1回で済ませる」ことが最も良いのです。
確定申告によって納付する消費税は損金にできる税金なので、法人税や地方税の納付額にも影響します。
それも理解しておきましょう。

「毎日の地道な作業が、決算のときにものすごく重要な結果をもたらす」…これを目に見える形に印刷したものが、「消費税区分別取引集計表」という書類です。

【追記】
インボイス制度は仕入控除税額を正しくする目的で施行されたものです。したがって、収益に関する仕訳ではインボイス制度のことを忘れて良いので、仕訳伝票の明細行右端のオプションボタン(適格事業者マーク)を初期設定のまま(ONのまま)にしておいてください。
うっかり、適格事業者マークをOFFにするとどうなるかというと、その収益のデータは、消費税区分別取引集計表で非適格事業者の集計をしたときに「課税売上額」の項目に印字されます。
これは良くないのです。「課税売上額」については、課税10%も、課税8%軽も、適格事業者の集計のときに、すべてそこに集計されることでミスを防ぐことができます。