Ver.6.00の主な改善点と追加機能

Ver.6.00の主な改善点と追加機能

●消費税インボイス制度への対応

・インボイス制度の施行に伴い、ユーザーが対応しなくてはいけないこと、理解しておかなくてはいけないことを随所に書き入れた。特にインボイス制度に関係のある処理を行うフォームの操作説明書に、多くの加筆をした。

・「バージョンアップ」のボタンをメインメニューに追加した。リンクテーブルのうちの4つの重要なテーブルに「適格事業者」というフィールドを追加する。過去の帳簿や決算書などを、見たり印刷したりする可能性がある場合は、それらの年度のデータ.mdbのすべてに対して、バージョンアップの処理をしてもらいたい。

・消費税区分別集計表に対して、最大の改修を行った。これまでの複数の税区分に、さらに、支払先が適格請求書発行事業者(略称:適格事業者)か、そうでないかの区別をして集計と印刷をすることになったので、クエリの追加と修正を行った。集計対象として適格事業者か非適格事業者かを設定するオプショングループを設けた。
非適格事業者に対する支払でも、経過措置期間中は80%または50%の仕入税額控除ができるので、消費税区分別集計表の納付予定額の下に、80%または50%の控除税額を参考として印字することにした。

・振替伝票などの仕訳入力伝票の明細行に、適格事業者マーク(オプションボタン)を設けて既定値を「Yes/はい」にした。これの値を変更することで、適格事業者か、そうでないかの区分を記録することにした。下の画像のとおり。
非適格事業者に対する支払でも、経過措置期間中は80%または50%の仕入税額控除ができるので、その記録を付箋を用いて行うことにした(自動入力)。下の画像のとおり。
なお、帳票から呼び出すズーム表示のフォームでも、同様の処理ができるようにした。
明細部に数行の仕訳データがあるときに、適格事業者マークを全部まとめて「Yes/はい」や「No/いいえ」にするボタンを設けた。
[AllYes] [AllNo] と名付けたボタンが活躍する場面は、例えば、車検を依頼した事業者が適格事業者と思って10行の仕訳をしたが、非適格事業者と判明したときに [AllNo] を押せば、10行の区分が一気に非適格事業者に変更される。
また、同じ日に何件かの費用の支払いがあり、税込1万円未満のレシートの入力を、適格事業者と非適格事業者の混在で20行の仕訳をしたが、自社が少額特例の適用を受けられると判明したときに [AllYes] を押せば、20行の区分が一気に適格事業者に変更される。

・仕訳帳、総勘定元帳、補助元帳および仕訳検索結果を表示するフォームに、適格事業者マーク(オプションボタン)を設けて、仕訳時に記録した適格事業者区分がわかるようにした。

・仕訳帳、総勘定元帳、補助元帳、仕訳検索結果の印刷時に、非適格事業者と記録された仕訳データに「非」と印字するようにし、適格事業者と記録された仕訳データには何も印字しないことにした。

・仕訳複合検索フォームの検索条件に、適格事業者マークの「Yes/はい」「No/いいえ」を加えた。「抽出後の処理」に、適格事業者区分を一括して「Yes/はい」や「No/いいえ」に変更するオプションを作った。

・少額特例(適用対象期間:令和5年10月1日~令和11年9月30日まで)に関する自動入力機能は無い。

●電子帳簿保存法への対応

本ソフトの機能を電子帳簿保存法に対応させるため、新たに追加した機能は下記のとおりである。
・仕訳日記帳、総勘定元帳からの仕訳データ(入力日時を含む)のエクスポート(CSV形式)
・検索結果としての仕訳データ(入力日時を含む)の印刷とエクスポート(CSV形式)
・過去に修正または削除された仕訳データを検索し、画面で見る・印刷する(入力日時を含む)。また、当初の入力日時と、修正または削除を行った処理日時と一緒に、仕訳データをエクスポートできる。(CSV形式)
エクスポートに関しては、税務調査官の求めに応じて電子データを提供することを想定している。
もともと、多彩な仕訳検索機能があり、取引先ごとの帳簿も閲覧・印刷できるので、上記の機能追加によって、電子帳簿保存法に、会計ソフトとしては対応できたと思う。



・出金高速入力の改修(機能追加)。法人名義のクレジットカードでの支払や社長の立替費用を、日付順不同でもスムーズに入力できるようにした。振替伝票だと日付が変わるたびに伝票登録してなくてはならないが、出金高速入力だと連続して入力ができる。また、直前はもちろんのこと、離れている行のコピーもできるので、とても使い勝手が良い。下の画像のとおり。

・バックアップ先のフォルダを選択するダイアログを新しくした。

・不用意に、ナビゲーションウィンドウの中のテーブルにフォーカスして、開くことがあったので、ナビゲーションウィンドウを隠すコードを随所に書き入れた。

・「逆仕訳用に複写する」を選択し仕訳登録をF12の指押しでした場合に、伝票番号が管理テーブルに保存されない不具合を修正した。

・仕訳複合検索フォームの、抽出したデータの科目を置き換える項目の補助科目のリスト表示を修正した。

・各フォームのラベルや操作説明書で、説明内容の年月日が古いものを新しくした。

適格事業者マーク(オプションボタン)。とてもコンパクトで邪魔にならない。
付箋に、「80%控除対象」と記録する。
出金伝票高速入力。貸方科目を「現金」か「未払金」に固定して、高速に入力可能。
貸方科目を「未払金/クレジットカード」に固定した場合。